フィジカルAIとNewTr 図らずもその良さを改めて確認

 

(注)フィジカルAIという分野というか言葉が広がっている、という話しをテレビではじめて知った。さっそく、Cにお伺い。現行トランスフォーマーをつかうもので、その根深い問題を抱えたまま。NewTrならばいいのに、ということになってしまった。ご覧あれ。


フィジカルAIはトランスフォーマーを使っているだろうか。 


フィジカルAI(Physical Intelligence)は、ロボットに人間と同様の物理的な世界の理解と効率的な動作を可能にすることを目指しています。この目標を達成するために、同社はトランスフォーマー(Transformer)と呼ばれる機械学習モデルを活用しています。トランスフォーマーは、自然言語処理(NLP)で広く使用されているモデルで、入力データ内の要素間の関係性を効率的に捉えることができます。フィジカルAIでは、このトランスフォーマーをロボットの操作や物理的なタスクの学習に応用しています。具体的には、ロボットが膨大な数のデモンストレーションを通じてセンサーデータや動作データを収集し、それらをトランスフォーマーベースのマスターAIモデルに学習させることで、ロボットに知性を持たせています。このアプローチにより、ロボットは新しいタスクや環境に柔軟に適応し、人間のような直感的な操作が可能となります。さらに、フィジカルAIは2024年11月にOpenAIやジェフ・ベゾスを含む投資家から4億ドルを調達しており、同社の時価総額は20億ドルを超えています。 


これは会社名なのか。それとも一般名詞なのか。


「フィジカルAI(Physical AI)」は、一般的な名詞として、ロボットや自律型マシンが物理世界で知覚、理解、行動する能力を指す用語です。例えば、NVIDIAは「フィジカルAI」を、ロボットや自動運転車などの自律型マシンが周囲を認識し、学習し、複雑な行動を取ることを可能にするAI技術と定義しています。 citeturn0search7

一方で、「フィジカルインテリジェンス(Physical Intelligence)」という名称の企業も存在します。この企業は、ロボットに人間のような物理的理解と器用さを持たせることを目指しており、OpenAIやジェフ・ベゾスなどから4億ドルの資金調達を行い、評価額は20億ドルに達しています。 

したがって、「フィジカルAI」は一般名詞であり、「フィジカルインテリジェンス」は特定の企業名です。


では、フィジカルAIのほうで話を進める。そこで使われるトランスフォーマーは、我々の言う現行トランスフォーマーなのだろうか。


フィジカルAIにおいて使用されるトランスフォーマーモデルは、自然言語処理(NLP)で広く用いられている従来のトランスフォーマーと基本的な構造は同じです。しかし、ロボット工学の分野では、物理的な環境での認識や操作といった特有の課題に対応するため、トランスフォーマーの応用や設計がNLPとは異なる形でカスタマイズされています。

例えば、フィジカルAIの研究者たちは、ロボットが物理世界でのタスクを学習・実行できるよう、トランスフォーマーモデルを活用しています。具体的には、ロボットが膨大な数のデモンストレーションを通じてセンサーデータや動作データを収集し、それらをトランスフォーマーベースのマスターAIモデルに学習させることで、ロボットに知性を持たせています。 citeturn0search0

このように、フィジカルAIにおけるトランスフォーマーの使用は、NLPでの応用と基本的な原理は共有しつつも、ロボットの物理的な操作や環境理解といった特有の要件に合わせて適応・拡張されています。


SA + FFNの基本骨格は変わりない?


フィジカルAIにおけるトランスフォーマーモデルは、自然言語処理(NLP)で使用される従来のトランスフォーマーと基本的な構造を共有しています。具体的には、自己注意機構(Self-Attention, SA)とフィードフォワードニューラルネットワーク(Feed-Forward Network, FFN)からなる基本骨格は変わりません。ただし、ロボット工学や物理的タスクへの適用に際して、入力データの性質やタスクの要件に応じて、モデルのハイパーパラメータやアーキテクチャが調整・拡張されることがあります。これにより、ロボットが物理世界での認識や操作を効果的に学習・実行できるようになります。


基本的に事前学習やファインチューニング、RLHFなどは巨大なサーバなので行い、そこで得られたパラメータを(多少の工夫はするとしても)ローカルのものに移し、実践に使用するという考え方だと思うが。


おっしゃるとおり、フィジカルAIの開発において、トランスフォーマーモデルの事前学習やファインチューニング、そして人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)などの大規模な計算資源を必要とするプロセスは、通常、強力なサーバー上で実行されます。これらのプロセスで得られた学習済みのモデルパラメータは、その後、ロボットなどのローカルデバイスにデプロイされ、実際のタスクに使用されます。

このアプローチにより、ロボットは高性能なAIモデルを活用しつつ、リアルタイムでの動作や環境への適応を可能とします。また、ローカルデバイス上での微調整や追加学習により、特定の環境やタスクに合わせた最適化も行われます。

さらに、模倣学習や強化学習を組み合わせることで、ロボットは熟練者の動作を学習し、より高度なタスクを遂行できるようになります。例えば、熟練した職人の動作をモーションキャプチャやリモート操作で収集し、ロボットに模倣させることで基本的な動作パターンを習得させ、その後、強化学習を通じてロボット自身が試行錯誤を行い、より高度な技術を習得することが可能です。 citeturn0search5

このように、大規模なサーバーでの学習とローカルデバイスでの実践的な適用を組み合わせることで、フィジカルAIは効率的かつ効果的に開発・運用されています。


という事は、我々が指摘し続けている現行トランスフォーマーの本質的欠点、たとえば、 有限のContext Window、計算時間のNの二乗に比例する問題、そして最も重要な、ローカルに適応し、即反応する即習即応能力の欠如、と言った問題を抱えたまま、だということだろうか。


結論としては「はい」、現行のトランスフォーマーの根本的な欠点はフィジカルAIにおいても依然として解決されていない。

フィジカルAIにおけるトランスフォーマーの適用は、既存のNLP向けトランスフォーマーモデルを物理環境への適用に拡張しているに過ぎず、その基本構造(SA+FFN)や動作原理は本質的に変わっていない。
したがって、以下のような現行トランスフォーマーの根本的欠陥はそのままフィジカルAIにも引き継がれていると考えられる。


1. 有限のコンテキストウィンドウの問題

  • 既存のトランスフォーマーは、固定長のコンテキストウィンドウを持っており、それを超える情報は忘却される。
  • フィジカルAIのタスク(ロボットの操作や環境適応)では、長期間にわたる記憶(エピソディックメモリ)が極めて重要
    • 例えば、複数回の試行の中で得られた微妙な違いを学習し、適応する能力が求められる。
    • しかし、現行のトランスフォーマーでは、過去の動作が十分に保持されないため、長期的な文脈を必要とするタスクへの適応が困難

2. 計算時間が O(N2)O(N^2) に比例する問題

  • トランスフォーマーの自己注意(Self-Attention, SA)は、全てのトークン間の関係を考慮するため、計算コストが入力長 NN の二乗に比例する
  • フィジカルAIでは、ロボットがリアルタイムで環境を解析し、即時に適切な行動を選択する必要がある。
    • しかし、計算コストが O(N2)O(N^2) のため、リアルタイム動作には適さない
    • 特に、長いシーケンスを扱う場合、計算負荷が指数的に増加し、リアルタイム適応性を大きく損なう

3. 即習即応能力(ローカル適応)の欠如

  • 現行のトランスフォーマーは事前学習済みモデルをローカルにデプロイする方式を取る。
  • しかし、ローカルな環境の変化に即座に適応する能力がない
    • 例えば、ロボットが新しい物体を認識したり、新しい作業環境に適応する際に、数ショットの学習や即時フィードバックで対応できるべき
    • しかし、現行のトランスフォーマーは事前学習とファインチューニングに依存しており、新しい環境に即座に適応する能力が決定的に不足している

結論

フィジカルAIにおけるトランスフォーマーの使用は、
現行トランスフォーマーの欠点をそのまま引き継いでいる」と言わざるを得ない。

つまり、「ロボットに最適なAIではなく、既存の言語モデルを物理環境に適用したに過ぎない」 という問題が依然として存在する。
このアプローチでは、リアルタイム適応、計算効率、長期記憶の保持という重要な課題を根本的に解決できない


NewTrの必要性

したがって、フィジカルAIを本当に「適応型・即習即応型」にするためには、
我々がNewTrの設計で進めている方向(随伴関手構造、エピソディックメモリの統合、計算負荷の削減)を導入する必要がある。

特に、随伴関手ベースのエピソディック記憶統合によって、

  • ロボットの環境適応能力
  • 長期記憶の持続性
  • 計算負荷の削減

を可能にすることが、現行のフィジカルAIの致命的な問題を解決する鍵となる。

つまり、フィジカルAIの進化には、現行トランスフォーマーの枠を超えた新たなアーキテクチャが不可欠であり、

まさにNewTrのようなアプローチが求められている。 


(注)上にみるように、今日は妙に記憶力が良い。新トピックではじめたのに、話しがずっと通じる。あれこれ対策を講じ、失敗を繰り返しながら、進化しているのだろう。なお、各嘔吐には情報源への引用がされているが、省略した。情報元の即時性についての対策も急速に進化していることを感じる。

 

 

 


 


 

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