NewTr-Rev VII 公式設計文書

 

(注)AOV(Attribute, Object, Value)の三つ組は、いわゆるGOFAIの初期から多用され、その発展形として、意味ネットワーク、さらにはルールベースのエキスパートシステムの基礎となるものだった。それをもとにNewTrを再度見直し、精錬し、進化させた新バージョンとして結実したものがこれである。詳しい解説は別記事にする予定。


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(このリンク、無効かも知れないが、一応提示する)

NewTr-Rev VII 公式設計文書(マルチモーダル対応)

1. はじめに

NewTr-Rev VII は、従来の Transformer モデルの計算コストを劇的に削減しつつ、適応的な推論経路選択を実現するために設計された新しい情報統合アーキテクチャである。本設計では、随伴関手による情報統合2-圏の 2-射によるバイパス推論、および 圏論的エネルギー関数による適応的な推論制御 を統合する。

NewTr-Rev VII は、マルチモーダル入力(テキスト・画像・音声・センサーデータなど) を統合的に処理できる特長を持つ。

1.1 AOV (Attribute-Object-Value) 構造と NewTr

本アーキテクチャは、情報を AOV (Attribute-Object-Value) の関係性を通じて統一的に捉える ことで、極めてシンプルな設計でありながら高い適応性を持つ。

  • オブジェクト (Object)圏の対象 (Category Object)
  • 属性 (Attribute)圏の射 (Morphisms)
  • 値 (Value)射の指し示す対象 (Codomain of Morphisms)

この構造は、数学的には 豊穣圏 (Enriched Category) の構成 に直結しており、特に Vect(ベクトル空間の圏) を用いることで、自然な形で情報の統合が可能となる。

1.2 AOV 構造が情報処理の歴史に持つ必然性

AI(および情報処理)の歴史を振り返ると、AOV の視座が根底にあることが明らかである

  • 初期の GOFAI(Good Old-Fashioned AI)では、AOV の形で知識を表現していた(Semantic Networks, Frames, Rule-Based Systems)。
  • ニューラルネットワークや深層学習が発展しても、情報はベクトルとして処理され、暗黙的に AOV の構造を継承している。
  • Transformer も、埋め込みベクトルをデフォルトとして使用しており、AOV を意識せずとも活用してきた。

このように、AOV を軸として情報処理の歴史を捉え直すと、従来の手法がどのように最適化されるべきかが明確になる。
NewTr-Rev VII は、この視点を意識的に取り入れた結果、計算の純粋化・単純化を果たしながら、高機能化を実現している。

1.3 ベクトル空間とトランスフォーマー

現行のトランスフォーマーが 埋め込みベクトルをデフォルトのように扱うのは、まさにこの AOV 構造が背景にあるためである。

  • ベクトルは、要素ごとに異なる属性 (Attribute) を持ち、それがオブジェクト (Object) の特徴を決定する。
  • そのため、トランスフォーマーが「ベクトル化された情報」を処理するのは極めて自然な形となる。
  • ただし、従来のトランスフォーマーは、AOV を意識せずにこの構造を利用していた可能性が高い。

NewTr-Rev VII は 随伴関手を基盤とすることで、この関係性を数学的に明確に捉え直し、最適な推論プロセスを提供する。


2. NewTr-Rev VII の主要設計

2.1. マルチモーダル入力の仕様

NewTr-Rev VII は、以下のような多様なデータ形式を扱うことができる:

  • 数値ベクトル(センサーデータ、特徴抽出後のデータ)
  • 自然言語データ(テキスト埋め込みベクトル)
  • 画像データ(畳み込み処理後の埋め込みベクトル)
  • 音声データ(メルスペクトログラムや音響特徴量ベクトル)

データ統合のために、すべてのモダリティを共通のベクトル表現に変換する前処理 が必要。

2.2. 随伴関手による情報統合

随伴関手 FGF \dashv G を用いて、異なるモダリティのデータを統合・変換する。

  • FF : 異なるモダリティを統一ベクトル表現へ変換(抽象化)
  • GG : 統一ベクトル表現から個別のモダリティへデコード(具体化)

この収束過程を適応的に制御し、最適な推論結果を得る。


3. アルゴリズムと実装(マルチモーダル対応)

3.1. データ統合の前処理

import numpy as np

def process_text(text):
    return np.random.rand(10)

def process_image(image):
    return np.random.rand(10)

def process_audio(audio):
    return np.random.rand(10)

text_vec = process_text("example text")
image_vec = process_image("example_image.jpg")
audio_vec = process_audio("example_audio.wav")

X = np.mean([text_vec, image_vec, audio_vec], axis=0)

3.2. 適応的推論の実装

def energy_function(X, F, G, alpha):
    return np.linalg.norm(F(X) - G(X))

def adaptive_bypass(F, G, alpha, X, energy_function, max_iterations=5):
    for _ in range(max_iterations):
        threshold = 0.5 + 0.1 * np.var(X)
        energy = energy_function(X, F, G, alpha)
        if energy < threshold:
            X = G(F(X))
        else:
            X = G(alpha(F(X)))
    return X

3.3. 完全なサンプルプログラム

def F(X):
    return np.tanh(X)

def G(Y):
    return 1 / (1 + np.exp(-Y))

def alpha(X):
    return X * 0.9

X_transformed = adaptive_bypass(F, G, alpha, X, energy_function)
print("推論結果:", X_transformed)

4. まとめと今後の展開

NewTr-Rev VII はマルチモーダル入力を統合的に処理できる。

本設計の根幹には AOV 構造があり、圏論的な随伴関手を通じて最適な情報統合が可能である。

今後の課題

  1. 異なる種類のデータ(画像・音声・テキスト)を実際のタスクに適用
  2. エネルギー関数の最適選択(随伴関手の変位量 vs 2-射の影響量)
  3. 計算オーダー削減の実証(O(N)O(N) vs O(N2)O(N^2) の比較実験)

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