ChatGPT 5によるNewTrの総見直し
(注)先の記事に書いたように、ChatGPT は 4から5へとバージョンアップされた。すでに4から行われたことだが、ユーザとの対話に関する記憶機能が大幅に改良されている。以前の、一定のContext Windowの枠を超え、特殊な記憶構造を持つようになったようだ。そしてその上で、「思考」を展開する。言ってみれば、ユーザとの対話についての短期記憶がそれなりに合理的な長期記憶機構へと改革されたのだ。ユーザとの対話のみだが、一種の即学即習がある形で実現された、とも言える。OpenAIは詳しい技術情報を公開しないので、本当のところは分からないが、使う側からはそのように見える。ブログに対話記録を残しているのは、かつてのChatGPTのこの記憶の不備を補うため、という意味もあったが、いまではその必要はない。そこで、その「記憶」能力を確かめる意味もあって、GhatGPT 5にこれまでのNewTrの議論を纏めさせてみた。一見もっともらしいが、やはりどこかおかしい。もともとNewTrがきちんと体系的に整合性のあるものに至っていないので、あちこちおかしいのはそのせいもあり、仕方がない。なによりも私自身理解しがたい用語等多数含まれている。しかし、今後の議論の出発点としてそれなりに意義はありそうだ。
NewTr 最新版について、これまでの議論を整理し、統一化するために、ChatGPT 5としての新鮮な目から丁寧に記述してほしい。
NewTr 統一仕様(2025-09-12 草稿 / ChatGPT-5 整理版)
目的:これまでの議論(NewTr-Rev XX を既定ベースラインとしつつ、その後の深化点を含む)を、圏論的厳密性・物理/情報幾何的直観・実装可能性の三層で統一記述する。CurTr との相違は定義的に明確化し、optimal lawfulness(最適法則性)と自然変換の関係、複素埋め込み(位相=時間/方向)、O(N log N) 〜 O(N) 計算設計を中核に置く。
0. 読み方と層構造
層A(公理層):圏論的定式化(対象・射・豊穣化・随伴・モナド/コモナド・自然変換・普遍性)。
層B(意味層):Semome/Seme、時間相位(phase)・sheaf/トポス、ゲージ対称性、Peirce 第三性との整合。
層C(実装層):O(N log N) 変換、Tr 関数(softmax の“指数=微分作用素の不動点”正当化と拡張)、学習目的、評価法。
1. 背景と設計原理
CurTr の限界:O(N^2) 注意、語用論寄りの“言語的修辞”依存、位相(時間/方向)を本質的には持たない実数ベクトル表現。
NewTr の目標:
即時同化(Assim)+局所調節(Accom)の統一を圏論的随伴で表し、**第三性(法則)**を自然変換の最適性で定義。
Semome(素数添字の複素ベクトル)で位相=時間/方向を一次表現に組込み、sheaf 的時間意味値でローカル~グローバルを接続。
計算量 O(N log N) 〜 O(N):核化・バタフライ/FFT系・FMM 的近似 + ルーティングで二乗注意を回避。
2. 公理層(圏論的中核)
2.1 圏と豊穣化
𝒞:コンテクスト圏。対象は対 (状態/データ X とその文脈 C(X))。
射は 関係的射を許すため、Rel 的視点を併用(Set での関数に閉じない)。
𝒞 は Vect_ℂ(複素ベクトル空間)上豊穣化:Hom-集合は(重み付き)Hilbert 構造を持つ。
2.2 同化/調節の随伴
F ⊣ U:データ→コンテクスト化 と、コンテクスト忘却 。
モナド を Assim(即時同化)、コモナド を Accom(周辺調節)と同定。
単位 η と 余単位 ε は、観測/更新の律則(unit/counit)として実装上はゲート/スキップ接続に対応。
2.3 “最適法則性(optimal lawfulness)”の定式化
データ側の函手 とモデル側の函手 のあいだの自然変換 を法則と呼ぶ。
最適性: は、(i) 自然性正則(自然性平方の可換)と (ii) 作用汎関数 の極値条件(最小作用/自由エネルギー最小/情報幾何距離最小の選好)を満たす 普遍対象として特徴づける。
すなわち、法則候補の圏 における 終対象/普遍射としての を求める問題。
2.4 自然変換と固定点
反復近似(“Transformer 的単純反復”)を不動点問題として扱う:。
NewTr では 指数写像に基づく不動点(後述 Tr)を核に、自然性制約を満たす最小作用解に収束させる。
3. 意味層(Semome/Seme, sheaf/トポス, 位相/時間)
3.1 Semome / Seme
Semome Σ:素数添字 で構成された 複素ヒルベルト空間 。位相 が時間/方向、絶対値 が強度を表す。
Seme σ:Semome のローカル・パッチ(開集合)上のセクション、すなわち sheaf の局所記述。
3.2 sheaf と時間意味値
入力列や音声等の時空的データを**位相空間(トポロジー)**上の sheaf と見做す。各開集合に対し局所意味(Seme)を与え、貼り合わせ公理で整合を保証。
接続(connection) を導入し、並進/回転等の群作用を並行移動で扱う。RoPEはその特例だが、NewTr では 学習される接続 A を通じた一般化を採用。
3.3 ゲージ対称性・束(fiber bundle)
主束 上の接続 により、位相(phase)を局所ゲージと解釈。共変微分 が特徴抽出の基本演算。
Noether 的保存量を正則化項として損失に組込み、対称性が法則性の安定化に寄与。
4. 計算設計(O(N log N)〜O(N))
4.1 核化アテンションの一般式
核 を複素内積で定義(接続 による位相補正含む)。
近似:ランダム特徴/低秩分解/バタフライ変換/FMM を組合せ、逐次局所ルーティングで計算を O(N log N) へ。
4.2 ルーティングと関係圏
Rel 的射を活かし、硬い argmax ではなく 測度付きルーティング(確率/重み)を実装。sheaf の貼り合わせ制約でグローバル整合。
5. Tr 関数:指数=微分作用素の不動点としての正当化
5.1 定義(抽象)
入力 。線形作用 と規格化子 。
Tr を次の不動点として定義:
は Prob(確率分布)では 規格化、Assim+Accom ではゲート一致制約に対応。
5.2 softmax との関係
かつ で softmax に一致。
指数は微分作用素の固有関数であり、連続時間の解像度限界での安定固定点を与える(指数の“自然性”)。
5.3 計算
実装は 数回の不動点反復(Anderson/重み付きピカール)で十分収束。CurTr の一発正規化よりも法則整合に寄与。
6. 学習目的(最小作用 / 法則性正則化)
[ \min_{θ, α} ; \mathbb{E}[\mathcal{L}_{task}]
λ_{\mathrm{nat}},\underbrace{\mathcal{C}{\mathrm{nat}}[α]}{\text{自然性違反罰則}}
λ_{\mathrm{sym}},\underbrace{\mathcal{C}{\mathrm{sym}}[A]}{\text{対称性の破れ}}
λ_{\mathrm{cons}},\underbrace{\mathcal{C}{\mathrm{cons}}}{\text{貼り合わせ整合(sheaf)}}
]
自然性罰則:自然性平方の可換誤差を測る。
対称性罰則:共変発散/曲率()の過大化を抑止。
sheaf 整合:重なり集合でのセクション差異を抑える。
7. 実装スケッチ
7.1 モジュール構成
ComplexEmbed:複素埋め込み(Semome 初期化、素数添字チャネル管理)。
GaugeKernel:接続 による位相補正付き核 の近似(バタフライ/FMM)。
TrBlock: の不動点反復。少数反復で実用。
Assim/Accom 層:モナド/コモナドの単位・余単位をゲートとして顕在化。
SheafGlue:局所パッチの貼り合わせ損失を計算。
7.2 疑似コード(概念)
for layer in layers:
z = ComplexEmbed(x)
K = GaugeKernel(A, z) # 位相補正核(近似)
y = FixedPoint( y -> N(exp(Re(K@y + z))) ) # Tr
x = Assim_Accom_Update(x, y) # 随伴由来の更新
loss = task_loss + lambda_nat*NatPenalty + lambda_sym*SymPenalty + lambda_cons*SheafConsistency
8. CurTr との対応表(要点)
観点 | CurTr | NewTr |
---|---|---|
表現 | 実数埋め込み | 複素 Semome(位相=時間/方向) |
注意 | O(N^2) softmax | 核+近似+ルーティングで O(N log N) 〜 O(N) |
正規化 | 一回の softmax | Tr(指数不動点+法則整合) |
理論核 | 統計的経験則中心 | 随伴・自然変換・sheaf/束・Noether |
文脈 | 暗黙 | 明示的 Context C(X) と貼り合わせ |
9. 音・時間相位(応用メモ)
RAAT/ネットワークで問題化する時間揺らぎを、入力の 位相勾配として直接扱える(Semome の位相チャネル)。
接続 A は“タイムベース”として学習され、共変平行移動が jitter の影響を抑える設計余地を与える(評価指標は §10 参照)。
10. 評価プロトコル(言語+信号)
言語:次単語予測/復号に加え、自然性誤差・sheaf 整合を測定する補助指標。
音/時系列:位相一貫性、ホモロジー的連結度(トポロジカル特徴)、Noether 正則化での保存量安定性。
計算:N に対し O(N log N) スケーリングの実測、近似誤差と性能のトレードオフ曲線。
11. 未解決課題・今後のロードマップ
Tr の収束理論(複素領域・実装ノイズ下での十分条件)。
学習接続 A の幾何学的解釈(曲率と意味変化の対応)。
Semome 素数添字の最適割当(情報幾何的冗長性最小化)。
分散実装:近似核のスケジューリングと通信最小化。
12. 参考:記号と語彙
Semome/Seme:複素ヒルベルト空間とその局所セクション。
Tr:指数不動点正規化。Prob では softmax を包含。
Assim/Accom:随伴由来のモナド/コモナド更新。
自然変換=法則、optimal lawfulness:自然性+最小作用の普遍解。
sheaf/束/接続:ローカル-グローバル接続、対称性と保存量。
付録A:最小作用の一例(概念式)
[ \mathcal{S}[α, A] = \underbrace{\mathbb{E},d_{IG}(F, G; α)}_{\text{情報幾何距離}}
β,\underbrace{|F_A|^2}_{\text{曲率罰則}} + γ,\underbrace{\sum_{U∩V} |s_U - s_V|^2}_{\text{sheaf 貼り合わせ}}
]
付録B:Tr 反復の簡易条件(実務)
初期値:softmax(z) か、一次更新 。
反復回数:2〜4 回で十分なことが多い(Anderson 加速併用)。
安定化: のスペクトル半径制御、位相のラッピング対策(principal value)。
本稿の位置づけ
Rev XX の“骨格”を維持しつつ、(i) 自然変換=法則の最適性、(ii) Tr の不動点正当化、(iii) sheaf/束/接続の体系化、(iv) O(N log N) 実装への明確な写像、を統一図式として提示した。以後は TrBlock・GaugeKernel の実装詳細、評価ベンチの確定に進む。
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作りました。まずは「統一仕様(2025-09-12草稿)」として、圏論の公理層→意味層→実装層の三層で、optimal lawfulness/自然変換、Semome/sheaf・束・接続、O(N log N)設計、そしてTr(指数=微分作用素の不動点)まで一本に通しました。
この版で、次に深掘りしたい章を教えてください。候補は:
Tr の収束条件と実装(Anderson加速・スペクトル半径管理)
GaugeKernel(学習接続A)と近似計算の詳細
sheaf 貼り合わせ損失とデータ作成手順
評価プロトコル(言語+信号/位相一貫性指標)
Rev XX との差分一覧をさらに細かく
他にも追記したい定義・命題・証明があれば指定ください。
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